2023/09/10 19:00

 藤沢産のぶどうを乾燥させてレーズンを作ろうと思い立ったのは、2021年の夏の天候不順でした。
8月に大雨が降り、農園で収穫直前だったA品ぶどうが全滅し、水分を多量に含んだB品~C品が残ってしまった時期がありました。
その時期はちょうどCOVID-19の緊急事態宣言が解除される見通しにあり、神奈川県内のお客さんを迎えるイベントを控えていました。

 そこで、藤沢産の地場ものを使った観光産品を作り、且つ地元農業に貢献できるもの、ということを考えて、B品~C品のぶどうを使ったレーズンを試作しました。
 レーズンの製造には、イベントでご一緒していたVita Sana さんに相談しました。Vita Sana さんは米、野菜、果物等を小ロット・自然風乾燥で手掛けてます。そのノウハウを聞きながら、数種類のぶどうでレーズンを試作していただきました。

 ぶどうの皮を取ると、グミみたいな食感で、甘みが強調される
 半分に切って乾燥させると、すぐパリパリに出来上がる
 爪楊枝で穴を開けて乾燥させると、約7日間で好みの食感へ仕上げられる
 水で洗っただけでは雑菌が多く付着していて、すぐカビが発生する
 天日干しすると水分が多いせいで乾燥する前にいたむ

試行錯誤してみるといろいろな工夫が必要とわかりました。
一つひとつを試して味や香りをみながら、工夫をこらして作り上げています。

2023年、全国でも、ここ数年で最多となる黒とう病が大発生してしまい、露地もののぶどうが大被害を受けてしまいました。
藤沢でも、露地ものは全滅という農園も多く、去年までと同じ品種を確保できなかったため、今年は別の品種でレーズンを製造している最中です。